達増知事“全国最下位の最低賃金改善を”岩手労働局に申し入れ

労働者に最低限、支払わなければならない賃金=最低賃金についての審議が始まるのを前に、達増知事が岩手労働局を訪れ、「岩手県の最低賃金は全国で最下位で、ほかと格差が生じている」として改善を申し入れました。

達増知事は29日午後、岩手労働局を訪れ、粟村勝行局長に直接、申し入れ書を手渡しました。

県によりますと、知事が労働局長に直接、申し入れを行ったのは初めてです。

雇用主が労働者に最低限、支払わなければならない賃金、=最低賃金は、毎年、岩手労働局の審議会で決められています。

昨年度の「時給893円」は、全国平均を100円あまり下回り、全国で最も低くなりました。

今年度の審議は来月始まる予定で、達増知事は申し入れで「都市部のみならず隣の県との格差が生じている」としたうえで「人材が県内に定着し、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができるよう改正に向けて十分な議論をしてほしい」と改善を求めました。

申し入れを受けて岩手労働局の加藤大介労働基準部長は「丁寧な審議となるように努力していきます」と話しています。

県の菅原俊樹労働課長は「県民や県議会からも意見をいただいてきました。十分な議論をお願いしたい」と話しています。