震災で被害受けた企業 3月までに借金返済 約4割にとどまる

東日本大震災で被害を受けた中小企業が「二重ローン」を抱えないよう震災支援機構が一時的に肩代わりした借金を、ことし3月末までに返済した県内企業の割合は、およそ4割にとどまっています。
関係者は「県内の被災企業は、大半がいまだ再生の途上にある」と指摘しています。

国が2012年に設立した「東日本大震災事業者再生支援機構」は、震災で被害を受けた中小企業が、すでに背負っていた借金に加え、新たな借り入れで「二重ローン」を抱えないよう金融機関などから債権を買い取る形で肩代わりし、再生を支援しています。

支援を受けた企業は経営を再建したのち、肩代わりしてもらった分を買い戻すなどする必要があります。

支援機構によりますと、県内で支援を受けたのは167社で、このうち、ことし3月末までに債権を買い戻すなどした企業は70社と、41%にとどまっているということです。

買い戻しができていない企業は、業種別に「小売・飲食」が33社、「水産加工」が23社、「建設・土木」が5社などとなっています。

これについて、県内の金融機関の関係者は「県内の被災企業は、大半がいまだ再生の途上にある」と指摘しています。

人手不足や物価高など新たな課題への対応も迫られる中、支援機構は金融機関とも連携して、企業の商品開発や販路開拓の支援などを強化するとしています。