石川 能登町の酒造会社支援 盛岡で預かった酒米で日本酒造り

ことし元日に発生した能登半島地震で被災した石川県能登町の酒造会社を支援しようと、東日本大震災の津波で大きな被害を受けたあと、盛岡市で事業を再開した酒造会社が能登町の会社から預かった酒米で25日から日本酒造りを始めました。

石川県能登町にある数馬酒造は、ことし1月1日に発生した能登半島地震で酒蔵の壁が崩れたり、津波が流れ込んだりしたため、酒造りが一時、できなくなり、今月から再開しました。

しかし、醸造できなかった期間が長く、地元の農家から仕入れた酒米を使い切ることが自社だけでは難しくなったため、支援を申し出た盛岡市にある酒造会社「赤武酒造」が1500キロを預かり、酒造りに協力することになりました。

25日から仕込み作業が始まり、杜氏(とうじ)など3人が米のぬかや汚れを落とす「洗米」を行ったあと、水を吸わせる作業をしていて、適切な吸水量になるよう米の重さを確認しながら水にひたす時間を調整していました。

日本酒はタンクなどでおよそ1か月かけて醸造し、6月上旬に瓶詰が行われ、6月下旬に出荷される予定です。

「赤武酒造」は東日本大震災が発生した13年前に大槌町にあった蔵が津波で全壊し、2年後、盛岡市に新たな蔵を建て酒造りを続けてきました。

「赤武酒造」の杜氏、古舘龍之介専務は「初めて使う米で不安な面もあったが、よい状態で作業ができてよかった。私たちも震災後に多くの人に助けてもらったので、おいしい酒をつくることで復活してもらいたいです」と話していました。