大規模災害で鉄道利用者が帰宅困難に 岩手町がJRなどと協定

地震などの大規模災害が発生し、鉄道が停まって自宅に帰るのが難しくなる「帰宅困難者」を支援しようと、岩手町とJR、それにIGRいわて銀河鉄道は協定を結び、駅に隣接する町の施設を一時避難場所として利用することになりました。

25日、岩手町役場では岩手町の佐々木光司町長をはじめ、JR東日本盛岡支社とIGRいわて銀河鉄道の関係者が出席し、協定の締結式を行いました。

協定では、大規模災害で鉄道が運行できなくなり帰宅困難者が出た場合に、東北新幹線の停車駅のいわて沼宮内駅に隣接する町の施設、「岩手広域交流センター」を一時避難場所にするとしています。

そのうえで、岩手町などが備蓄している飲料水や食料を提供するということです。

町によりますと、3階建ての岩手広域交流センターは1階部分にあるホールにはおよそ300人を収容できるということです。

JR東日本盛岡支社 盛岡統括センターの庄司裕二所長は「多くのお客さんに安全に避難してもらうため、体制を強化していきたい」と話していました。

県内では13年前に発生した東日本大震災の際、内陸のJR盛岡駅周辺では帰宅困難者の誘導に時間がかかりました。

自治体と鉄道会社の帰宅困難者に関する協定は、県内では2019年の二戸市に次いで2番目になります。

岩手町の佐々木光司町長は「協定の締結によって具体的な支援の枠組みが明確になり、地域住民が安心して生活することにもつながると思う」と話していました。