新基準満たしていない金属バット 岩手県内の高校にも配付か

ことし春から導入した反発力を抑えた新基準の金属バットのうち、5つのメーカーのバットが基準を満たしていないことがわかり、高野連=日本高校野球連盟は19日から使用を禁止すると発表しました。
岩手県高校野球連盟によりますと、県内の高校にも基準を満たしていないバットが配布されているということで、確認を急ぎたいとしています。

高校野球の金属バットは、ピッチャーのけがを防ぐことなどを目的に、ことしから反発力を抑えた新たな基準が導入され、バットの直径の上限をこれまでより3ミリ小さくし、64ミリとすることや金属の厚みを4ミリ以上に厚くすると定められました。

こうしたなか、製品安全協会がバットを調査したところ、14のメーカーのうち、5社が販売しているバットについて基準を満たしていないことがわかったとして、19日から使用を禁止すると発表しました。

使用が禁止されるのは、XANAX、三共スポーツ、ハイゴールド、イソノ、ボルテカの5社が販売しているもので、いずれも金属の厚みが基準の4ミリ以上を満たさない3.5ミリ程度だということで、反発力を抑えられず、打球が速くなる可能性があるということです。

5社のバットは、いずれも中国の同じ工場で製造されているということで、事前の検査の際には基準を満たしていましたが、大量生産された製品には問題があったとしています。

新たな基準の金属バットは、価格が従来のバットより高く、高野連は、全国の加盟校の経済的な負担を減らすため、希望した高校に新基準のバットを去年秋から3本ずつ配布しています。

このうち1本は各校が14社から希望のバットを選び、残りの2本は、高野連が各社から均等になるように購入したうえで各校に配布していて、岩手県ではことし1月にまず2本が配られていました。

基準を満たしていない5社のバットは、全国47都道府県の高校に合わせておよそ2100本が配られているということです。

岩手県高校野球連盟によりますと、県内の高校にも基準を満たしていないバットが配布されたということで、各校には希望の1本以外は無作為に配布したため、どの高校に基準を満たしていないバットが配られたかはわからないということです。

NHKの取材では、使用が禁止されたメーカーのバットが配布された高校で、すでに練習試合などで使用していたということです。

県高野連は、まもなく春の高校野球岩手県大会の地区予選が始まるため、予選期間中などに基準を満たしていないバットの有無などの確認を急ぎたいとしています。

高野連では、加盟校に代わりのバットを配布するとしています。