クマを指定管理鳥獣に 知事 “国の交付金活用し対策進める”

環境省が、今月、クマを「指定管理鳥獣」に指定したことについて、達増知事は、19日開かれた定例の記者会見で「環境省の交付金を活用した追加対策を検討したい」と述べ、国の交付金も活用した県の対策を進める考えを示しました。

環境省は、今月16日付けで省令を改正し、絶滅のおそれのある四国の個体群を除いた、クマを「指定管理鳥獣」に指定しました。

これによって、今後、県などがクマの対策を行う際、国から交付金を受けられるようになります。

達増知事は、去年11月に北海道の鈴木知事などと環境省を訪れ、クマを「指定管理鳥獣」に指定することなどを求めていました。

達増知事は、19日の記者会見で「環境省の交付金を活用した追加対策を検討したい」と述べ、国の交付金を活用した県の対策をより一層進める考えを示しました。

また、20日から1か月間、県としてクマの被害防止に向けたキャンペーンを行うことにしていて、「ことしもクマの出没の増加が懸念される中、去年の状況を踏まえた対策を進めていきたい」と述べ、関係機関と連携して被害防止に取り組む姿勢を示しました。

県によりますと、県内では昨年度、クマによる人への被害が過去最も多い46件、49人にのぼり、このうち2人が亡くなり、北上市では18日、山菜採りをしていた70代の男性がクマに襲われ、顔などにけがをしました。

県は、山菜採りなどで山に入る際は、明け方や夕方の時間帯を避け、クマを近づけないよう鈴やラジオで音を出すなどの対策を呼びかけています。