雪に覆われた道路の境目正確に把握 観光道路の除雪に新技術

除雪作業の安全性を高めようと、岩手県と秋田県を結ぶ観光道路では、高精度の地図などを活用して雪に覆われた道路でも正確に把握できるシステムを試験的に導入し、除雪作業に役立てています。

岩手県の八幡平市と秋田県の鹿角市を結ぶ観光道路、八幡平アスピーテラインは、冬場は雪で通行止めとなっていて、毎年3月から4月にかけて除雪作業が行われます。

作業は道路脇に崖もある山道で建設機械を使って行われますが、冬場は雪で道路が覆われているため、崖との境目が分かりにくく、安全性の確保が課題となっています。

このため、岩手県は安全性の向上や作業の効率化に向けて、ことしの除雪作業で新たなシステムを試験的に導入しました。

このシステムは、特殊なレーダーを使って事前に道路の形を計測した高精度の地図と衛星通信を組み合わせ、運転席に設置された画面にカーナビのように車の位置を表示する仕組みです。

道路と崖の境目を把握するには、これまでは作業員の経験に頼る面が大きかったということですが、新たなシステムでは、道路や崖の位置、カーブの曲がり具合などが画面上で正確に把握できるため、安全性が高まるとしています。

除雪作業にあたる建設会社の上野康平社長は「除雪作業は今まで熟年の経験と勘で行われてきたが、見えない道路を『見える化』する技術で、非常に使いやすい」と話しています。