県運営のダム発電電力 自動車工場に供給始まる

県内にある自動車を製造する工場に対して県が運営するダムで発電された電力の供給が始まり、3日、開始式が行われました。
県が自然エネルギーに由来する電力を自動車産業に供給するのは初めてだということです。

盛岡市で開かれた「供給開始式」には、県企業局の中里裕美局長や電力の供給を受ける窓口となる東北自動車産業グリーンエネルギー普及協会の梅原武理事長などが出席しました。

梅原理事長は「水力などのグリーンエネルギーの自動車産業への普及を目指し岩手の自動車産業を世界にうって出られる競争力あるものにしてさらに発展させていきたい」とあいさつしました。

県などによりますと県が運営する花巻市の早池峰ダムでの水力発電で生み出した電力を今月から金ケ崎町にある「トヨタ自動車東日本岩手工場」などに供給し供給量は一般家庭およそ2500戸分の1年間の電力に相当するということです。

県は水力発電や太陽光発電などからつくられる自然由来のエネルギーの地産地消を目指して、4年前から企業側が計画や企画を提案するプロポーザル方式で供給先の選定を行っています。

県によりますと、自動車産業のような特定の産業への供給は今回が初めてだということで、こうした電力の供給を今後も県内で広げ産業発展と脱炭素化を進めていきたいとしています。