三陸鉄道 今年度決算 約2800万円の赤字見込み

来月、開業40周年を迎える三陸鉄道の今年度の決算の見通しが発表され、物価高騰の影響で修繕費がかさむなどしたため、最終的な損益は、前の年度よりも悪化して2800万円ほどの赤字を見込んでいます。

三陸鉄道の取締役会は28日、盛岡市で開かれ、去年4月から先月までの経営状況や、それに基づく今年度の決算の見通しが報告されました。

この中で、乗客の推移については、沿線の少子化に伴い、定期の利用が1万8000人余り、前の年度よりも減少したものの、新型コロナの影響がなくなり、地元利用や観光利用が持ち直しつつあることから、定期外の利用が2万6000人余り増えたということです。

去年4月から先月にかけての乗客数の合計は57万6042人で、前の年度よりも8300人ほど増えたということです。

これにより、運賃収入は、前の年度よりも3000万円余り多い3億3600万円ほどとなる見込みですが、今年度の決算の見通しについては、物価高騰による修繕費が増えたことや、新入社員の採用を増やしたことに伴う人件費の増加で、支出が6000万円余り増えたことから、最終的な損益はおよそ2800万円の赤字と、前の年度よりも悪化する見込みということです。

三陸鉄道の石川義晃社長は「厳しい状況が続く経営の改善にいっそう注力するとともに、新年度からの開業40周年に合わせて、社員一丸となって観光客の誘致強化や地域利用の増加に取り組んでいきたい」と話していました。