東北ユースオーケストラ 坂本龍一さん追悼公演 盛岡で23日

世界的な音楽家・坂本龍一さんが亡くなって、まもなく1年となります。
坂本さんが東日本大震災からの復興を支援しようと立ち上げた「東北ユースオーケストラ」が23日、盛岡市内で追悼の公演を行います。

映画「ラストエンペラー」の音楽でアカデミー賞を受賞するなど世界的に活躍した坂本さんは、東日本大震災の被災地の復興を音楽で支援しようと、震災の2年後に「東北ユースオーケストラ」を岩手・宮城・福島の子どもたちや若者で立ち上げ、去年3月28日に亡くなる直前まで演奏を指導していました。

亡くなってから1年になるのを前に、東北ユースオーケストラは23日から、岩手、宮城、福島、それに東京で追悼公演を行うことになり、20日から岩手公演の会場となる盛岡市内のホールで合宿練習を続けています。

今回の公演では、坂本さんが楽団のために作曲した「いま時間が傾いて」という楽曲や、映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲などが演奏される予定で、21日は楽団のメンバーたちが繰り返し演奏を確認していました。

楽団のキャプテンを務める福島大学2年生の海津洸太さんは、「かつて本番で失敗したときに、舞台袖で坂本監督に手を握られながら慰めてもらったのが印象に残っています。震災があったからこそ、こうした出会いも生まれたので、坂本監督に感謝しながら、自分たちが自立した姿を届けられるように演奏したいです」と話していました。

また、盛岡市出身で、現在は東京の高校で音楽を学ぶバイオリン担当の田口陽大さんは、「坂本監督に作曲を褒めてもらったのがうれしくて、今の進路を選びました。坂本監督が、東北ユースオーケストラを作ってよかったと思ってもらえるような演奏をしたいです」と話していました。

東北ユースオーケストラの岩手公演は23日で、盛岡市民文化ホールで行われます。