彼岸の入り 岩手 宮古 震災で家族亡くした人たちなど墓参り

彼岸の入りの17日、東日本大震災で多くの人が避難した岩手県宮古市の高台にある寺では、震災で家族を亡くした人たちなどが墓参りに訪れていました。

宮古市田老地区の「常運寺」は、東日本大震災の時に津波が近くまで押し寄せたものの、高台のため被害を免れ、多くの住民が避難しました。

この地区では181人が亡くなり、寺の墓地には、犠牲になった人たちが眠っています。

彼岸の入りの17日、家族を亡くした人たちなどが訪れ、墓石のまわりをきれいに掃除したあと、花を供えて静かに手を合わせていました。

津波で両親を亡くした山内聡子さん(39)は「『元気でやっているよ』と報告に来ました。震災を思い出してしまうので、この場所を訪れるのはためらってしまうのですが、日々を忙しく過ごしているので、前には進めていると思います」と話していました。

また、漁師だった義理の父親を亡くした石井達雄さん(48)は「船の様子を見に行って津波の犠牲になりました。漁に連れていってくれるなど、孫の面倒をよくみてくれてとても感謝しています」と話していました。