岩手県 消防団員数 沿岸部を中心に減少の割合高く

地域防災を支える消防団の減少が全国的な課題となる中、県内では沿岸部を中心に減少の割合が高くなっていることが分かりました。

県内各地で活動する消防団の人数について、NHKが県内すべての市町村を対象に去年4月1日時点で調べたところ、すべての市町村で定員を下回っていました。

東日本大震災が起きる前の2010年と比べた場合も矢巾町を除くすべての市町村で減少していて、
▽減少した割合が最も高かったのは大船渡市の35.53%でした。

▽次いで釜石市が33.58%。

▽陸前高田市が32.07%。

▽大槌町が31.01%。

▽住田町が27.36%となっていて、上位を沿岸部の5つの市と町が占める結果となりました。

▽県内の平均は19.48%で、全国平均の13.69%を上回るペースで減少しています。

これについて消防行政に詳しい関西大学の永田尚三教授は「東日本大震災の津波で消防団員が亡くなったケースがあり、沿岸部では消防団は危険という認識が今もあるのではないか」としています。

また将来について「少子高齢化の中、減少はある程度、受け入れざるをえない状況だ。今後は、例えば建築関係や医療関係の団員が専門能力を生かせるようにするなど量より質を重視した体制を整備していくことが重要だ」と指摘しています。