三陸鉄道が東日本大震災の体験を伝える「震災学習列車」運行

東日本大震災の発生から13年になるのを前に、沿岸部を走る三陸鉄道の社員がガイド役となって震災の体験を伝える「震災学習列車」が運行されました。

三陸鉄道は震災の教訓を広く伝えようと、2012年から「震災学習列車」を運行していて、社員や沿線の住民がガイド役となって当時の体験を伝えています。

震災の発生から13年になるのを前に、7日、列車が運行され、県の内陸部や県外からの参加者33人が普代駅で列車に乗り込み、久慈駅に向かいました。

三陸鉄道の社員が震災の当日、列車の乗務員と乗客が安全を確保するため車内にとどまったことや、周囲が暗くなった夜に地元の消防団が救助に駆けつけたことなどを説明すると、参加者は真剣な表情で話を聞いていました。

また、列車は野田村の十府ヶ浦海岸駅で一時停車し、全員で海に向かって黙とうをささげました。

奥州市から参加した60代の女性は「ふだんは内陸に住んでいますが、震災当日の沿岸部の状況がよく分かりました」と話していました。

ガイドを務めた三陸鉄道の山野目真さんは「三陸鉄道として東日本大震災のことをこれからも伝えていきたいです。社内でも若手社員に体験を語り継いでいきます」と話していました。