岩手 釜石で避難訓練 GPSアプリでルートや所要時間分析

避難する人がどんなルートを通り、どのくらいの時間がかかるのか、スマートフォンのGPSアプリを使って分析する避難訓練が3日、釜石市で初めて行われました。

訓練は釜石市内で震度6弱の揺れを観測したあと、大津波警報が出たという想定で、3日の朝、行われました。

市民およそ1500人が参加し、鵜住居地区では住民およそ100人が高台にある中学校の校庭に避難しました。

おととし岩手県が最大クラスの津波での新たな浸水想定を公表し、各地で避難計画の見直しが進む中、今回の訓練では、参加者にGPSを活用したスマホのアプリを入れてもらい、避難する際のルートや時間などを分析する新たな試みが行われました。

市の災害対策本部に用意された大型のモニターには、アプリを入れた人がどこにいて、どっちにどのくらいの速さで移動しているかが表示されました。

このシステムでは人が多く集まると大きな赤い円が出るほか、時間の経過ごとに想定される津波の到達地点も表示されるようになっていて、職員が状況を確認しながら課題などを分析していました。

釜石市の佐々木道弘危機管理監は「住民の避難ルートの分析などいろいろな用途に活用できるので、今後、避難行動計画を立てる際に役立てたい」と話していました。