昭和三陸津波から９１年 宮古市で車による避難を検証する訓練

三陸沿岸を襲った「昭和三陸津波」から３日で９１年となり、多くの犠牲者が出た岩手県宮古市では、津波が発生した未明に、車での避難を検証する初めての訓練が行われました。

「昭和三陸津波」は、昭和８年３月３日の未明に発生し、大津波により、死者・行方不明者が３０００人以上に上りました。

発災から９１年になる３日、宮古市田老地区では午前２時半から住民およそ１０人が参加して避難訓練が行われ、初めて車での避難を検証しました。

岩手県は、徒歩での避難を原則としつつ、近くに高台がないなど、歩いてすぐ安全な場所に行けない場合は例外的に車の活用を検討するとしています。

訓練では、まず、防災の専門家が、強い揺れにより道路がひび割れたり、マンホールや側溝のふたが浮き上がったりして通行が難しくなる場合もあり、車は速度を落として走る必要があると説明しました。

そして、参加者たちは車に乗り込み、およそ４キロ離れた避難先を目指しました。

通常６分ほどで到着するところ、周囲が暗い上に路面が凍結しているところもあり、速度を落として通常の倍ほどの時間がかかっていました。

訓練を行ったＮＰＯ法人「津波太郎」の大棒秀一理事長は「冬場の避難では車避難も検討する必要があるため、実施しました。暗さや雪の影響を体験できたので、実際の避難に生かしたいです」と話していました。