奨学金受けた医師の返済免除 がん拠点病院の勤務も制度対象に

岩手県などから奨学金を借りて医師になった人が、指定された病院で一定期間勤務すると返済が免除される制度があります。
県は、不足しているがんの専門的な知識を持つ医師を増やすため、県立中部病院など、がん診療の地域拠点病院での勤務も制度の対象にすることを決めました。

学生時代に県や岩手医大などの奨学金を受けて医師になった「養成医師」は、奨学金の種類によって6年から最大11年、中小の病院を含む、指定された病院に勤めると奨学金の返済が免除されます。

岩手県は、こうした「養成医師」を沿岸や県北など医師が不足している地域の指定の病院に配置し、地域的な医師の偏りの改善を図ってきました。

一方、専門性によっても医師の偏りが課題となっていて、県は、不足しているがんの専門的な知識を持つ医師を増やそうと、がんの治療や診断などにあたる放射線科と病理診断科の医師については、県立中部病院など、がん診療の地域拠点病院に勤務した場合も奨学金返済免除のための勤務期間に含めることを決めました。

岩手県では、すでに医師不足が深刻な小児科や産科でも同様の措置を設けていて、規模の大きい地域の拠点病院での勤務だけでも返済免除に必要な期間を満たせるということです。

県保健福祉部は「今後も制度を柔軟に運用しながら、医師不足の解消に取り組んでいく」としています。