県立病院の新年度収支18億円の赤字見込み 赤字額は過去最大

新年度の県立病院の当初予算案が示され、物価高騰や給与改定などに伴う経費や給与費の増加により、収支の総額で18億円余りの赤字が見込まれることになりました。
県立病院の数が現在の20か所になった平成21年以降、当初予算案の赤字額としては過去最大となります。

盛岡市で開かれた県立病院の経営委員会では、新年度の運営方針や病院事業にかかる当初予算の案が示されました。

それによりますと、新年度当初予算の収益は1199億円で、今年度より11億円余り多く見込んでいます。

新型コロナの5類移行に伴い、通常診療を充実させることで、入院や外来の収益が増加するとしています。

一方、費用は1217億円で、今年度よりもおよそ28億円多い見込みとなりました。

給与改定に伴う給与費の増加や、燃料価格や物価の高騰による経費や材料費の増加、それに手術用ロボット購入や施設の改修工事などの建設改良費などがかさむとしています。

これにより、収益から費用を差し引いた収支は、当初予算の段階で18億2000万円の赤字となることが見込まれ、県立病院の数が現在の20か所になった平成21年以降、当初予算案の赤字額としては過去最大となります。

新型コロナの5類移行に伴い、これまでの国からの多額の補助金が見込めなくなる中、県立病院の厳しい経営環境が改めて浮き彫りになっています。