通院難しい患者をオンライン診療 奥州市が「遠隔診療車」公開

医療機器を備えた「遠隔診療車」という専用の車が通院が難しい患者のもとに行き、医師がオンラインで診療する「モバイルクリニック」という取り組みを奥州市が始めることになり、22日、その車が公開されました。

奥州市は、地域の医療機関が1つだけで住民の高齢化が進み、通院のための交通手段の確保が課題になっている衣川地域で「モバイルクリニック」を導入することにしたもので、22日は衣川保健福祉センターで式典が行われました。

奥州市の倉成淳市長が「誰もが住み慣れた地域で暮らし続けるため、遠隔診療車が一助となるよう祈っている」とあいさつしました。

車内には診察ベッドやモニター、洗面台、それに電子聴診器などの医療機器が載っていて、インターネットを通じて診療所にいる医師の診察を受けられます。

デモンストレーションでは、車内の看護師のサポートを受けて、患者役がモニターに映った医師と話していました。

モバイルクリニックの導入は、県内では北上市に次いで2例目です。

地域で唯一の医療機関である衣川診療所が通常診療と並行してモバイルクリニックを担うということで、開始時期は来月上旬を予定しています。

衣川診療所の近藤克幸所長は「医師の数が少ない中で仕組みをうまく使って、来所が大変な方にも医療を充実させていきたい」と話していました。