能登 被災地支援の介護福祉士 “感染症を懸念 人的支援を”

能登半島地震のあと福祉避難所などを支援するため石川県に派遣されていた大船渡市の社会福祉法人の介護福祉士の男性が、NHKの取材に応じ、新型コロナなどの感染症の拡大が懸念されている状況や人的支援の必要性を訴えました。

大船渡市の社会福祉法人「典人会」は、能登半島地震で大きな被害があった石川県輪島市の法人から要請を受け、高齢者や障害者の支援にあたる専門家のチームを発災の翌日から交代で現地に派遣しています。

今月7日に大船渡市を出発し、11日夜、戻ったメンバーの1人、介護福祉士の河原明洋さんが現地の状況や今後、必要とされる支援についてNHKの取材に応じました。

河原さんによりますと、車で輪島市に向かったところ途中の道路には亀裂や陥没が多く、雪の影響も重なって現地に入るまでに19時間かかったということです。

そして、現地で支援した福祉避難所や介護施設の中には、新型コロナやインフルエンザの感染者がいてもベッドの間の仕切りが段ボールのみのところがあったほか、断水が続いているため手を洗うこともできないなど、感染対策が十分にとれていない状況だったということです。

また、現地の介護施設の職員の中には被災して出勤できない人もいることから、通常よりも少ない人数で連日、対応に追われていて、中には「もう心が折れてしまいます」と話す職員もいたということです。

河原さんは「現地の介護職員の疲労はピークに達している。全国の介護施設が手を取り合い、いち早く人材を派遣して現場の職員を休ませてあげることが介護を必要とする人たちの安心にもつながると思う」と話していました。

大船渡市のこの法人では、今後もメンバーを入れ替えながら現地で支援活動を続けていくということです。