三陸鉄道の決算 過去最大の赤字見通し 燃料費高騰など影響

来年4月に開業40周年を迎える三陸鉄道の今年度の決算は、過去最大の赤字になる見通しとなりました。
燃料費の高騰や列車の修繕費などが影響したということで、三陸鉄道では、観光客を三陸地域に呼び込む活動などを通じて利用者の増加を目指したいとしています。

岩手県と沿岸の自治体が出資する第三セクターの三陸鉄道によりますと、ことし4月から10月までの運賃収入は2億2900万円余りで、新型コロナの5類以降に伴い観光利用などが持ち直しつつあることから、前の年の同じ時期に比べて15.2%増加しました。

また、朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が再放送された影響もあり、宮古駅と久慈駅の間の利用者数はおよそ20万2600人で、前の年の同じ時期に比べて10.4%増えました。

しかし、▽燃料費の高騰が続いていることや、▽老朽化した列車などの修繕費が影響したことから、運賃などの事業収入から支出を差し引いた今年度の「経常損益」は7億1200万円余りの赤字となり、過去最大になる見通しだということです。

また、県と沿岸市町村からの補助金を含めた「当期損益」も3200万円余りの赤字になる見通しで、こちらは過去2番目の赤字になるということです。

三陸鉄道は「少子化が進み、定期利用の増加は見込めないが、誘致活動を強化するなど観光客を三陸地域に呼び込む活動を行っていきたい」とコメントしています。