岩手県内 クマの捕獲頭数 上限超える820頭と過去最多に

県内でクマによる人身被害が、ことし過去最多となるなか、今年度捕獲された頭数が先月下旬時点で、捕獲上限を上回る820頭とこれまでで最も多くなったことが県のまとめでわかりました。

岩手県は、クマの生息数を適正な状態とするため、毎年、ツキノワグマの捕獲数の上限を設定していて今年度は686頭となっています。

しかし、県内ではクマに襲われケガや死亡する人が今月6日時点で49人と、過去最多となっていて、猟友会などによる捕獲が増えています。

県によりますと、ことし10月中旬時点ですでに2020年度の555頭を上回り、過去最多となっていましたが、その後もクマが捕獲されるケースが相次ぎ、先月20日時点の速報値で、上限を大幅に上回る820頭にのぼっているということです。

県のツキノワグマ管理検討委員会は、ことし8月に来年度の捕獲数の上限を過去最多の796頭に引き上げていますが、その頭数も上回っています。

県自然保護課は「人への被害が増え続ける中で捕獲数の増加はやむをえないが、今後も専門家の意見を聞きながら複数年単位で適切な頭数管理を行っていきたい」としています。

県内では今月に入っても人がクマに襲われていて冬眠の時期を前に活動が活発化しているとみられ、県などは引き続きクマに警戒するよう呼びかけています。