奥州市 黒石寺「蘇民祭」 来年2月で1000年超の歴史に幕

奥州市の寺に伝わる祭りで、1000年以上の歴史があるとされる「黒石寺蘇民祭」が、担い手不足から来年2月の開催を最後に終了することが発表されました。

奥州市水沢の黒石寺に伝わる「黒石寺蘇民祭」は、下帯姿の男たちが、「蘇民袋」と呼ばれる麻袋を奪い合う伝統行事で1000年以上の歴史があるとされています。

毎年2月に夜を徹して行われ、3000人が訪れますが、コロナ禍で中止が続き、ことし2月、3年ぶりに執り行われました。

この祭りについて、黒石寺は5日、来年2月17日の開催を最後に、今後、執り行わないと発表しました。

理由について藤波大吾住職は「祭りの中心を担う関係者の高齢化と担い手不足により、祭りを維持していくことが困難な状況になった」としています。

祭りは例年、夜から明け方まで行われますが、最後の祭りは午後11時までとし、再来年以降は祭りを行わず、住職などが祈とうなどをする形に改めるとしています。

藤波住職は「これまで長きにわたりご尽力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。蘇民祭を楽しみにしてくださっている皆さまには大変申し訳ありませんが、ご理解いただきたい」と話しています。