新たな販路を 海外のバイヤーが水産加工会社など視察 宮古

中国が日本の水産物の輸入停止を続ける中、新たな販路を広げようと、宮古市でアメリカやシンガポールなど海外の食品輸入会社の買い付け担当者に市内の食品加工会社などを視察してもらう取り組みが行われました。

これはJETRO=日本貿易振興機構が企画し、アメリカとシンガポール、それにカナダの食品輸入会社、6社の買い付け担当者、合わせて7人が招かれました。

7人は宮古市内の魚市場や水産加工会社を訪れ、このうち、三陸名産の塩漬けにしたワカメ「塩蔵わかめ」を製造する加工場では、加工の様子を視察したあと、ツブ貝やウニなどの加工食品を試食していました。

宮古市魚市場では、船がイカやサバなどを水揚げする様子や競りを見学しました。

5日はタコや今が旬のマダラなどが競りにかけられ、その場で値がつけ、入札していく様子を興味深そうに見ていました。

アメリカで輸入食品を扱う会社を経営する百瀬慶広さんは「アメリカでも刺身の人気が出てきているので、品質のいい日本の食材をさらに仕入れていきたい」と話していました。

視察を受けた水産加工会社の川端秀典社長は「中国への輸出がストップして経営にもダメージが出ています。まず食べてもらい、世界に販路が広がればうれしいです」と話していました。

JETRO岩手貿易情報センターの米倉大輔所長は「三陸の水産品のクオリティを世界に発信するとともに、輸出の規制などで困っている企業があれば相談に乗っていきたい」と話していました。