八幡平 創業280年老舗温泉宿 破産手続き開始申し立て準備

八幡平市にある創業280年の老舗温泉宿が新型コロナウイルスの影響で経営が悪化したことから、裁判所に破産手続きの開始を申し立てるための準備に入りました。

民間の信用調査会社東京商工リサーチ盛岡支店によりますと、八幡平市の温泉宿、「松楓荘」を営む松川温泉が破産手続きの開始を申し立てる準備に入りました。

松楓荘は1743年に創業し、ことしで創業280年となっていて、源泉掛け流しの温泉や名物の洞窟岩風呂が人気で県内外に多くのファンを抱え、ピーク時の2000年代前半には売り上げが1億円以上あったということです。

10年前の2013年には台風18号で近くの川があふれ建物の一部や露天風呂が壊れるなどの被害が出ました。

2020年以降は新型コロナウイルスの影響で客足が大きく落ち込み資金繰りが悪化して、従業員への賃金の未払いやそれに伴う従業員の退職のほか、名物の洞窟岩風呂につながるつり橋の補修もできないほどだったということです。

営業は続けてきましたが、去年は500万円の赤字を計上していて、事業が好転する見込みがないとして、裁判所に破産手続きの開始を申し立てるための準備に入ったということです。

信用調査会社によりますと、負債総額はおよそ6000万円です。