県産小麦から「かび毒」検出 菓子店などで商品の自主回収も

JA全農いわてが販売した岩手県産の小麦、「ナンブコムギ」からおう吐などを起こすおそれがある「かび毒」が検出され、この小麦を使っていた菓子店などが製品を自主回収するなど影響が広がっています。
JAは、これまでのところ健康被害は確認されていないとしています。

JA全農いわてによりますと、かび毒が検出されたのは、去年・2022年産の県産小麦「ナンブコムギ」です。

今月9日、販売した東京の製粉会社からかび毒が検出されたという連絡があり、JAがこの小麦を回収して検査したところ、今月17日、基準値を超えるかび毒が検出されたということです。

一方、JAが販売前に行ったサンプル検査で、基準値を超えるかび毒は検出されていなかったということです。

内閣府の食品安全委員会によりますと、かび毒は、一度に大量に食べた場合、おう吐や食欲不振、下痢などの症状が出るおそれがあります。

また、熱に強く、加工や調理をしても毒性はほとんど減らないということです。

JAによりますと、これまでのところ健康被害は確認されていないということで、具体的な産地や販売した数量などの確認を進めています。

また、ほかにも問題のあるものが出荷された可能性もあるとして、販売先などに連絡しています。

これを受けて、盛岡市にある老舗の南部せんべい店「白沢せんべい店」は、27日昼過ぎから臨時休業して商品の自主回収や廃棄作業にあたっています。

現時点で営業再開のめどはたっていないということです。

JA全農いわての担当者は「産地や収穫時期、販売数量など正確な情報について確認を進め、速やかに公表したい」としています。