相続登記が来年から義務化 相続手続きを学ぶ講座 盛岡

所有者が分からない不動産が全国で大きな問題となり、その対策として相続登記が来年から義務化されるのを前に、盛岡市で相続の手続きなどについて学ぶ講座が開かれました。

相続の登記がされず、所有者が分からない住宅や土地は、所有者探しに時間がかかって公共事業が遅れたり、土地・建物が荒廃して周辺環境に影響が出たりと全国で大きな問題となっていて、来年4月からは所有者を明確にするため、相続した不動産の登記が義務化されます。

こうした中、不動産の相続手続きなどについて多くの人に知ってもらおうと講座が開かれ、およそ60人が参加しました。

法務局の担当者が来年4月からは、▽相続により不動産の所有権を取得したと知った日から3年以内に相続の登記を申請しなければ10万円以下の過料が科せられる場合があるほか、▽登記の義務化は過去に相続した不動産も対象であることなどを説明しました。

また、県司法書士会の担当者からは、相続は▽有効な遺言が優先されるが、▽ない場合は法定相続人全員で相続の割合などを相談して決めることができるため、前もって協議などを進め、登記を早めに済ませるよう呼びかけました。

盛岡市くらしの安全課の吉田誠量課長は「相続登記をしないまま放置された空き家が朽ち果てて壁や天井が周辺に落ちてくるといった影響も懸念される。啓発活動を続け、市民の皆様に対応していただきたい」と話しています。