釜石とインドネシアの高校生が地域防災を学ぶ交流会 陸前高田

釜石市の高校生とインドネシアの高校生が津波の被害や教訓を発表し、地域防災のあり方などを学ぶ交流会が19日、陸前高田市で開かれました。

交流会は国連が定めた「世界津波の日」が11月5日であることから開かれ、県立釜石高校で東日本大震災の伝承活動などに取り組んでいる生徒3人と、22万人以上が犠牲になった2004年のインド洋大津波の最大の被災地、インドネシアのアチェ州の高校生6人が、陸前高田市にある東日本大震災津波伝承館に集まりました。

両国の生徒はそれぞれ発表を英語で行い、まず釜石高校の生徒が、災害時にとるべき行動を複数の選択肢から選ぶ防災ゲームなどについて紹介していました。

続いてインドネシアの高校生が、インド洋大津波の映像や写真などで紹介しながら防災意識を高めるため、地震シュミレーションなどの防災活動について発表しました。

お互いの発表を終えてからインドネシアの高校生は直接、インド洋大津波を経験しておらず、釜石の高校生も東日本大震災発生時は幼少期で記憶が多くはなく、伝承活動の難しさなどについて意見交換を行っていました。

インドネシアの高校生からは「インド洋大津波の話は親などから聞くことしかできないが、日本のような伝承施設があると記憶や教訓を伝えやすい」といった意見が出されていました。

交流会に参加した釜石高校2年の金崎紗良さんは「震災を直接、経験した世代の記憶を語り継いでいくことが重要だし、新たな視点として国や宗教を超えて、誰でも食べられる防災食をつくっていきたい」と話していました。