宮古市など三陸沿岸 伊勢エビが相次いで見つかる
暖かい海に生息する伊勢エビがこの秋、宮古市など三陸沿岸で相次いで見つかり、地元の人たちを驚かせています。
宮古市にある県立水産科学館によりますと、伊勢エビは先月から今月にかけて宮古市と山田町で合わせて7匹見つかり、このうち6匹が水産科学館で展示されています。
いずれも体長は3センチから7センチほどでまだ成熟していない稚エビと見られますが姿形は大人と同じ立派な伊勢エビです。
飼育員からえさをもらうと岩陰から身を乗り出して食べていました。
このうちの2匹は、先月19日、水産科学館に近い宮古市日立浜町の海岸近くにあるホタテ貝の養殖施設で見つかりました。
ホタテ貝の養殖をしている箱石江利子さんによりますと、ホタテ貝の水揚げをしていたところ貝の表面についていたということです。
捕まえてすぐスマートフォンで撮影し、水産科学館に届けたということで、箱石さんは「宮古にはいないと思っていたのでびっくりしました。ことしは海水温が高いからでしょうか」と話していました。
伊勢エビは三陸でもまれに見つかりますが、暖かい水温を好み千葉県や三重県などで多く漁獲されています。
三陸で7年前に見つかった伊勢エビを飼育し、情報を集めている山田町の「鯨と海の科学館」によりますとこれだけの数が短期間に見つかったのは初めて聞いたということです。
伊勢エビの世話を担当している県立水産科学館の畠中正人さんは「漁業者も珍しいと思って提供してくれていると思う。大切に飼育したいです」と話していました。
県の水産技術センターは、「暖かい海流・黒潮が例年よりも北上していて南の海で生まれた幼生がそれに乗ってきたのではないか。しかし海水温が低下する冬を越すのは難しいだろう」と話しています。