岩手医大「教授が論文改ざん」と発表 処分を検討

岩手医科大学は、歯学部の教授が中心となって発表した論文で「改ざん」などがあったと発表しました。
大学は今後、教授の処分について検討するということです。

岩手医科大学によりますと、2017年に歯学部の教授が中心となって海外の学術雑誌に発表した論文の内容について、「実験方法にねつ造がある」などと文部科学省に告発があり、大学は調査委員会を設置して調査を進めていました。

調査の結果、歯学部の教授は、写真に使用した細胞とグラフの作成に使用した細胞が異なっているにもかかわらず、同じ細胞と記載していたことから「改ざん」が認定されたということです。

教授は「故意ではなく誤った記載だ」と主張していましたが、調査委員会は「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことにより、改ざんの状態が生じた」と判断しました。

またこの論文では、実験を担当した研究者が論文の著者として記載されておらず、このことについても調査委員会は教授の不正行為と認定しました。

調査結果を受けて、大学は教授に論文の取り下げを勧告していて、今後、処分についても検討するということです。

岩手医科大学の祖父江憲治学長は「誠に遺憾であり、この事態を重く受け止め、今後、このような問題を再び起こすことのないよう、再発防止に取り組んでいく」とコメントしています。