アユで地域振興を 大船渡市で飲食店経営者向け試食会

岩手県内の天然のアユを地元の飲食店で食べられる機会を作り地域の振興を図ろうと、大船渡市で飲食店経営者向けの試食会が開かれました。

岩手県と大船渡市の盛川漁協は、県内の市場でほとんど取引されない天然のアユを市内の飲食店でも食べられるようにしようと、漁協から直接、飲食店に販売する取り組みを始めることになり、17日は、キックオフのイベントが開かれました。

イベントは市内の飲食店で開かれ、地元の居酒屋やバーなどの飲食店の経営者ら30人ほどが参加しました。

参加者が炭火でじっくり焼かれたアユの塩焼きを試食すると、香りの高さや味について感想を述べ合ったり、店で提供する方法などについて意見を交わしたりしていました。

バーを経営する40代の男性は「苦みが美味しいですね。串で焼けば見た目も良いと思います」と話していました。

岩手県によりますと、こうした取り組みは県内で初めてということで、今後、組合員が取った天然のアユをサイズを分けて冷凍し、市内の飲食店向けに販売するとしています。

今年度は漁期が終了しているため、本格的な買い取りは来年7月の漁期から開始することにしていて、来年度以降は一般の釣り人からも買い取りを予定しているということです。

県の大船渡水産振興センターの片寄剛技師は「徐々に少しずつ扱う店が増えることで盛川の天然アユを地域の魚にしていきたい」と話していました。