“ネコにマタタビ” 安全性を立証 岩手大などの研究グループ

ネコと植物のマタタビの関係について研究している岩手大学などの研究グループは、ネコにマタタビを嗅がせ続けても依存性はなく、体にも毒性がないことが分かったと発表しました。
そのうえで、マタタビからネコが反応する成分を抽出したスプレーを開発しました。

ネコはマタタビを好み、匂いを嗅ぐと、なめたり、体にこすりつけたりすることで知られていますが、これまでネコに対するマタタビの安全性を科学的に評価した研究はありませんでした。

岩手大学と名古屋大学などの研究グループは、マタタビに依存作用があるかどうか調べるため、マタタビの葉から抽出した成分を4時間連続してネコの近くに置き、行動を観察しました。

10匹のネコを観察したところ、4時間のうちマタタビには合わせて10分程度しか接触せず、マタタビへの興味も時間とともに少なくなる傾向がみられたということです。

また、最長でおよそ3年間マタタビを与え続けた複数のネコの血液を調べたところ、いずれも肝臓や腎臓の数値に異常はみられなかったということです。

研究グループは、ネコにマタタビを与えても依存性はなく、体にも毒性がないことが初めて科学的に立証できたとしています。

また研究グループは、乾燥させたマタタビの葉からネコが体をこすりつけるなどの特有な反応を引き起こす成分を抽出したスプレーを開発しました。

このスプレーは、ねこの爪とぎやおもちゃに吹きかけて使用することができるということです。

岩手大学の宮崎雅雄教授は「これまであやふやだったマタタビの安全性について、根拠をもとに立証できたので、ネコにマタタビを与えることをためらっていた人の道しるべになればうれしい。今後も、生活が文化的に豊かになるような研究を続けていきたい」と話しています。