サンマ不漁 「黒潮続流」極端に北上 海水温高いことが影響

近年、サンマが深刻な不漁になっていますが、水温の暖かい黒潮の流れの延長である「黒潮続流」が、ことしは極端に北上していることなどから、平年に比べて5度ほど海水温が高くなっていて、三陸沖にサンマが近づきにくい状況になっていることが国の研究機関の分析でわかりました。

国内のサンマの水揚げ量は業界団体の調査では、2008年には34万トンを超えていましたが、去年は1万7910トンと過去最低となりました。

サンマは、夏から秋にかけて水温の低い親潮に乗って千島列島沖から三陸沖へと南下してきます。

国の研究機関、水産研究・教育機構の分析によりますと、2010年以降、親潮が三陸沖まで南下しにくくなった一方で、水温の暖かい黒潮の流れの延長である「黒潮続流」が三陸沖まで北上して海水温が高い状態が続いているということです。

特にことしは、親潮の南下がさらに弱まり、「黒潮続流」の北上がより強まっているため、三陸沖の海水温が平年に比べて5度以上高く、いっそうサンマが近づきにくい環境が作られているということです。

データがある1970年以降、初めての現象だということで、水産研究・教育機構水産資源研究センターの黒田寛グループ長は「異常と言っていいほど三陸沖が高水温化していて、サンマがとりにくい状況が続く。海水温の変化で今までとは違う魚が獲れるようになり、新たな販路についても検討する必要がある」と話していました。