久慈 「あまちゃん」は10年たっても

2013年に放送し、現在再放送中の連続テレビ小説「あまちゃん」。

来週からは、東日本大震災を描くエピソードが始まり、物語は終盤へと向かっていきます。

ドラマの舞台となった久慈では、今も人々の心の中に「あまちゃん」が生き続けています。

久慈市中心部から車で10分ほど走った場所にある「こはく」を採掘する坑道。

ドラマの登場人物で人気があった「こはくの勉さん」は、この場所で「こはく」採掘を始めた上山菊太郎さんが、モデルとされています。

上山さんは、久慈地方が国内最大の産地とされるこのこはくを「新たな土産品にしよう」と市役所職員を辞め、昭和54年から「こはく」の採掘を始めました。

そして30年ほど前からは、息子の昭彦さんも一緒に働くようになりました。

菊太郎さんが亡くなったあともひとりで「こはく」の採掘を続けてきた昭彦さんは、久慈の「こはく」を一気に有名にしてくれた「あまちゃん」があったからここまでやってこれたといいます。

ドラマのロケもこの坑道で行われ、主人公のアキが琥珀を掘ったハンマーの跡も残っています。

昭彦さんは、「久慈の『こはく』の色は、派手さはなくあたたかみのある色合いです。当時の役者さんやスタッフさんもあたたかい方が多くて、琥珀の色合いと合わせて思い出しています。久慈の人たちは『あまちゃん』が心の中から消えることはないと思います」と話していました。

また、久慈には、出演者やドラマスタッフに愛された味もあります。

久慈駅から歩いてすぐの喫茶店は、ドラマに登場する喫茶店のモデルとなった場所です。

樋澤正明さん、あけみさん夫妻が作る味を求め、連日多くの「あまちゃん」ファンが訪れます。

名物は「ナポリタン」に「たまごサンド」。

ファンたちは、ドラマの世界観に浸りながらその味を楽しみます。

富山から来たファンは、「懐かしくもあり、初めて来ましたが、すごくあたたかみのあるお店だなと思いました」と話していました。

また、東京から来たファンは、「たまごサンドは、甘みがあって、あたたかくて、おいしかったです」と話していました。

店主の樋澤さんは、「この10年は、『あまちゃん』ブームが、本当にすごかった。この店は、『あまちゃん』なしには考えられない。メニューも10年変わっていません。ファンの人たちのためにそのままずっと同じ味でいこうと思っています。」と話していました。

「あまちゃん」の思い出を胸に久慈ではきょうも元気に生きる人たちの姿がありました。