平泉の文化遺産 柳之御所遺跡の追加登録目指す 県と地元合意

世界遺産に登録されている「平泉の文化遺産」について、岩手県と地元の自治体は、平泉町にある柳之御所遺跡の追加登録を目指すことで合意し、岩手県は今年度中にユネスコの諮問機関に提出する推薦書の素案をまとめることになりました。

平泉町にある柳之御所遺跡は、周辺の遺跡群の中でも多くの遺構や遺物が見つかっていますが“浄土思想”との直接的な関連性が薄いなどとして世界遺産には登録されず、県などが追加登録を目指して発掘調査や価値の裏付けを続けていました。

こうした結果を受け、30日、平泉町内で開かれた追加登録に向けて検討する会議で岩手県は「奥州藤原氏についての発掘成果があり、推薦の根拠が示しやすい」などとして、柳之御所遺跡を追加登録することを提案し、一関市など地元の3つの市と町も合意したということです。

同じく追加登録を目指してきた一関市の骨寺村荘園遺跡といった周辺の遺跡の追加登録は今回は見送られました。

県は、今年度中に世界遺産の登録審査を行うユネスコの諮問機関「イコモス」に提出する柳之御所遺跡を追加で登録するための推薦書の素案をまとめるとしています。

岩手県文化振興課は「日本国内の世界遺産で追加登録が認められた例はまだないので、文化庁からもアドバイスをもらいながら確かな推薦書の素案を作成してまいりたい」としています。