岩手県 ガソリン価格180円超 花巻市の運送会社では

岩手県内のレギュラーガソリンの小売価格は、28日時点で1リットルあたり180.9円で、先週から2円値上がりしました。
15週連続の値上がりで180円台をつけるのは2008年8月以来です。

国の委託を受けて価格を調査している石油情報センターによりますと、28日時点のレギュラーガソリンの小売価格は県内平均で1リットルあたり180.9円となりました。

前の週から2円値上がりして15週連続の値上がりです。

180円台をつけるのは、15年前の2008年8月18日以来で、最高値まであと2.9円に迫っています。

また、灯油の店頭価格は県内平均で18リットルあたり2114円で、前の週から34円上がって7週連続の値上がりとなり、こちらも2008年以来の高値水準です。

値上がりは、国からの補助金がことし1月以降、段階的に縮小されていること、主要な産油国のサウジアラビアが原油を自主的に減産し、原油価格が上昇傾向にあること、さらに円安に伴って輸入価格が上昇していることが主な要因です。

ガソリン価格の高騰を受け、政府・与党では、石油元売り各社に支給している補助金を今より拡充する方向で詰めの調整を進めています。

今後の見通しについて石油情報センターは、「いまの値上がりは円安に加えて国からの補助金の縮小の影響が大きいことから、今後、補助金がどうなるかが注目される」と話しています。

原油価格の高騰が続く中で花巻市の運送会社では、運送経路をできるだけ効率化し、運行するトラックの数を減らして燃料費の負担を減らせるよう、取引先との交渉を進めています。

食料品を中心に県内のスーパーなどに配送を行う花巻市の運送会社は、トラックおよそ200台を所有していて、月におよそ30万リットル、3500万円分の軽油を使用しています。

会社によりますと、軽油1リットルあたりの価格が先月に比べて8円上がり、燃料費の負担は今月分だけでも240万円ほど増える見込みで、経営に影響しているということです。

また、主に冷蔵や冷凍の食品を配送しているため、荷物の積み降ろしの待ち時間などにエンジンを止めることが難しいといいます。

会社では、燃料代を削減しようと、トラックの位置情報を記録して移動経路を見直し荷物の積み降ろしを効率良くすることで運行するトラックの台数を減らすことができないか検討しています。

取引先への配送時間を調整する必要があるため交渉を進めているということです。

運送会社の高橋嘉信会長は、「効率化を重視すれば短期的なやりくりはできるが、先行きが見通せない中では仕事は増やせない。政府主導で燃料費の安定供給のために対策を打ってほしい」と話していました。