岩手 岩泉町 台風10号豪雨災害7年 高齢者施設跡地で祈り

2016年、岩手県で記録的な豪雨となった台風10号の災害から30日で7年。
川の氾濫で入居者9人全員が亡くなった岩泉町の高齢者施設の跡地では、運営していた医療法人の職員などが祈りをささげました。

7年前の2016年8月30日、大船渡市付近に上陸した台風10号で、岩手県は記録的な豪雨となり、県内では関連死を含め29人が犠牲になりました。

岩泉町では小本川が氾濫し、近くにあった平屋建ての高齢者施設「楽ん楽ん」は天井まで濁流が流れ込み、入居者9人全員が亡くなりました。

施設の跡地では、運営していた医療法人の職員や遺族が訪れ、線香をあげ手を合わせていました。

施設を運営していた社団医療法人緑川会の佐藤弘明常務理事は「7年前の被害を教訓として職員が防災士などの資格を取得し、一人ひとりが自ら判断できるようになってきた。さらに行政と連携し災害に備えていきたい」と話しました。

施設に入居していた兄を亡くした千葉利光さんは「兄をはじめ、亡くなった方のご冥福と、当時の教訓を風化させないようお祈りしました。今後、同じ被害を繰り返さないため、施設を運営する側は命を守ることを第一に考え、一人ひとり早めの避難をしてほしい」と話しました。