処理水放出 久慈市の漁業者“三陸のブランドが壊れる”

処理水の放出が始まったことについて、久慈市侍浜の麦生漁港でウニやアワビの漁をしている船渡裕貴さんは、「仕方ないこととは思いますが、今から何十年も流すとなると間違いなく三陸のブランドが壊れるし、誰も良くは思っていない」と懸念を示しました。

その上で今後心配されることとして「物の価値は下がっていくと思います。麦生地区の養蓄ウニは次の世代に残したいと思ってやってきていて、価値が下がり、値段が安くなりすぎるともう誰もやらなくなる。地元の楽しみがなくなります。対策としては検査して安全を確保してもらえれば。」と話していました。

東京から観光で久慈市内を訪れていた大学生は「こうやって遊べなくなる可能性があるのは寂しい。違う選択肢があるならばそうしてほしい」とか「海が人の手によって、変わってしまうのは悲しい気持ちになります。将来の自分の子どもたちには安全が保証された海に、入ってほしい」と話していました。

処理水の放出が始まったことについて、大船渡市の60代の男性は、「不安は不安です。政府には消費者、漁業関係者、双方の気持ちをとらえたうえで説明責任を果たしてほしい」と話していました。

また、60代の水産業の男性は「水産業、農林業などに間違いなく影響が出ると思います。放出以外に手がないのなら、濃度の数値などを公にするようにしてほしい」と話していました。