柳田國男「遠野物語」まじないや呪術に着目した展示会

民俗学者、柳田國男の代表作、「遠野物語」に登場するまじないや呪術に着目した展示会が遠野市で開かれています。

「遠野物語と呪術」と題されたこの展示会では、「遠野物語」や遠野と県内各地のまじないに関する175点の資料が紹介されています。

このうち「大工人形」は、遠野で家の守り神とされるもので、住宅を新築する際に大工の棟りょうが小さなお堂を作り中に人形や鏡、髪の毛などを入れて、それを家主に分からないように棟木に打ち付ける風習ということです。

また「呪符手本書」には、さまざまな呪文が紹介され、中には体が弱い子が生まれた時に丈夫になるように唱えられたという呪文もあります。

会場には人を呪うために使われる「丑の刻参りのワラ人形」や悪い夢を見たときにそれが正夢となって災難がこないようにするまじないなどさざまなな資料があり訪れた人はひとつひとつじっくりと見入っていました。

東京から訪れた22歳の男性は「まじないや呪いなどを信じる気持ちが資料の厚さから伝わってきて見られてよかった」と話していました。

遠野市立博物館の長谷川浩学芸員「呪術というと身近でないと思うかもしれないが、展示をみることで願かけや年中行事の風習を考えるきっかけにしてほしい」と話していました。

この特別展は、来月24日まで行われています。