震災で被災した仏像 修復され12年ぶりにお披露目 陸前高田

東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の寺で壊れたまま保管されていた仏像が修復され、12年ぶりにお盆の時期にあわせてお披露目されました。

修復されたのは、陸前高田市の金剛寺に伝わる弘法大師、空海の仏像です。

仏像は、12年前の東日本大震災の津波で全壊した寺の本堂で押しつぶされて壊れた状態で見つけ出されたもので、その後、本堂の奥に保管されていました。

寺では、ことしが弘法大師の生誕1250年になることから、岩手県内の職人に修復を依頼し、およそ3か月かけて今月、修復が終わりました。

本堂の入り口に安置された仏像は、訪れた人に直接、触れてもらい身近に感じてもらえるようにと、漆を6回、重ね塗りして仕上げられています。

16日は、お盆で訪れた人たちが頭をなでたり、拝んだりしていました。

盛岡市から11歳の子どもと訪れた母親は「震災のことを知らない子どもたちを連れてきて、仏像に触れさせてもらえるのはありがたいことですし、亡くなられた人の分まで生きようと思います」と話していました。

金剛寺の小林信雄住職は「仏像を拝んでいただけてありがたい。拝んだ人が子どもや孫まで津波のことを伝えてほしいですし、お寺に来たときに教訓の一つとして見てもらいたい」と話していました。