次世代大型実験施設ILC誘致 奥州市で会合 効果など報告

岩手と宮城にまたがる「北上山地」が候補地になっている次世代の大型実験施設、ILC=国際リニアコライダーの誘致を進める自治体などの関係者による会合が奥州市で開かれ誘致が実現した際に地元で期待される効果などが報告されました。

会合を開いたのは大学や自治体などでつくる「東北ILC事業推進センター」です。

はじめにセンター長を務める岩手県立大学の鈴木厚人学長があいさつし「国際プロジェクトを日本が先導する姿勢が求められていて、国が主導して国際連携を強める必要がある」と訴えました。

続いて、コンサルティング会社の担当者がILCの誘致が実現した際に地元で期待される効果などを報告しました。

ILCは、光とほぼ同じ早さに加速させた電子などを衝突させて宇宙誕生の謎に迫る巨大な実験施設です。

担当者は施設周辺のまちづくりを考えた場合、施設などからの排熱で、農業用ハウスおよそ750棟が利用できる可能性があるなどと報告していました。

ILCをめぐっては今後の誘致に向けた具体的なスケジュールは決まっていない状態が続いていて会合の後、鈴木学長は「多くの方々の努力があって誘致を進めてきてるので、引き続き世界に対しても声を上げていきたい」と話していました。