風力発電施設の環境保全対策 イヌワシの保護対策などを確認

遠野市と住田町にまたがる山林に、東京の企業が建設した風力発電施設の環境保全対策について、県の諮問機関が現地調査を行った結果、イヌワシの保護などの対策がとられていることを確認しました。

遠野市と住田町にまたがるおよそ588ヘクタールの山林では、東京の再生エネルギー事業を手がける企業が1基あたり出力4200キロワットの風力発電機を27基設置し、ことし5月から稼働を始めました。

この施設をめぐって、県は計画の段階から環境影響について評価する「環境アセスメント」を行い、2016年に達増知事から事業者に意見書が出されています。

この中では、国の天然記念物のイヌワシが風車に衝突してしまう「バードストライク」の懸念を指摘し、計画の改善を求めていました。

専門家らによる知事の諮問機関、県環境影響評価技術審査会は、施設が稼働したのを受け、先月下旬、現地を調査しました。

その結果、イヌワシが発電機を認識しやすいよう、一部、ブレードの先端を赤色に塗装したことや、発電機の周辺でイヌワシのエサとなる動物が生息しにくいよう、ふもとに砂利を敷いたこと、さらに、発電機から数キロ離れたところに餌場となる牧草地をつくるといった対策が行われていることがわかりました。

県は、一定の対策がとられているとしており、今後も継続的に調査を行い、専門家による評価や事業者への助言を行うことにしています。