津波避難計画を策定 車による避難ルールづくりの論点整理

岩手県が去年3月に公表した最大クラスの津波による浸水想定を踏まえ、陸前高田市が新たな津波避難計画を策定するうえで設置した有識者会議の初会合が開かれ、津波発生時の車による避難のルールづくりなどについて話し合うため論点整理を行いました。

陸前高田市は、去年3月、県が公表した最大クラスの津波による浸水想定で、勝木田海岸に最大で17.9メートルの津波が押し寄せるほか、震災後に大規模なかさ上げをして整備した中心市街地も5メートル以上、浸水するとされました。

これを踏まえ、市は新たな津波避難計画の策定にあたって専門家から助言を受けるため有識者会議を設置しました。

5日は初めての会議が冒頭を除いて非公開で行われました。

市などによりますと、地域防災が専門の大学教授など委員5人が、津波発生時に車で避難する場合のルール作りや、支援が必要な人の避難などについて話し合うため、論点を整理したということです。

会議は今後、ほかの自治体の事例なども踏まえ、新たな津波避難計画の策定に助言を行うということです。

市は助言をもとに、来年度末を目標に、計画を策定したいとしています。

会議の委員長を務める静岡大学防災総合センターの牛山素行教授は「震災の教訓だけにとらわれず、広い視野から話し合いを行い、次に起こりうる津波の被害を軽減するため、議論を進めていきたい」と話していました。