マイナカードと一体化 達増知事「保険証廃止にこだわらずに」

来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する政府の方針について、達増知事は23日開かれた定例の記者会見で、「廃止にこだわらずにやってほしい」と述べ、政府の対応に注文をつけました。

政府は来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する方針で、来年の秋以降も最大1年間は今の保険証を使用できる猶予期間を設けるなどとしています。

しかし、カードに他人の情報が登録されていたケースなど、全国で問題が相次いでいて、政府は「マイナンバー情報総点検本部」を立ち上げ、再発の防止に努めることにしています。

こうした状況について達増知事は、23日の定例の記者会見で、「全国で多数の誤り事例が発生しているのは残念だ。人権やプライバシー、財産権の侵害はあってはならず、厳しく対応されるべきだ」と述べました。

そのうえで、「世論調査の結果などを踏まえ、今の保険証の廃止にこだわらずにやってほしい。国会での議論も途中で終わった感じがあり、保険証の必要性などを検証し、国民の生活を踏まえ自然な形でデジタル化を進めていけばいい」と述べ、政府の対応に注文をつけました。

一方、今月閉会した通常国会の最終盤で衆議院解散の臆測が与野党で広がったことについては、「マイナンバーカードなど重要な政策について国民の納得感が得られないまま解散をしたら、内閣にはお灸を据えるしかないと思っているし、選挙結果もしっぺ返しを食う格好になると思う」と述べました。