クマの出没時の対応 県や警察などが合同訓練 盛岡

クマの被害や目撃が相次ぐなか、盛岡市では、クマが現れた場合の対応について、県と市、それに警察などが合同で訓練を行いました。

訓練は、盛岡市の太田橋近くの雫石川の河川敷で行われ、県と盛岡市、警察、それに猟友会など合わせて25人が参加しました。

クマの目撃について、警察に通報が入ったという想定で始まり、参加した警察官が現場に向かいながら市に情報を伝え、草むらにクマにふんした職員が潜んでいるのを見つけました。

そこに市や県、猟友会の担当者が到着し、クマを捕獲するかどうか対応について協議しました。

この結果、猟友会が駆除することになりましたが、周辺に住宅もあることから、許可を出していいか、県と市の担当者が話し合いながら慎重に判断していました。

5日は、こうした訓練が進んでいる秋田県から職員が講師として招かれ、猟銃を使う条件など各機関が連携しながら、手順を確認しておくべきだと指摘していました。

県内ではことし、各地でクマの目撃や被害が相次いでいて、先週には盛岡市の市街地に近い北上川の河川敷にもクマが現れています。

岩手県自然保護課の酒井淳総括課長は「それぞれの機関が現場でスムーズに対応できるようにするため、訓練を行いました。今後は、盛岡市以外の自治体でも取り組んでいきたい」と話していました。

クマの生態に詳しい盛岡市動物公園の辻本恒徳園長は、クマは基本的に人間を避けていて、人の存在を知らせれば向こうから逃げていくとしています。

そのうえで「山に入るときは、人の存在を知らせるため鈴など音の出るものを身につけるほか、自治体が発信するクマの目撃情報を把握して、1人では出かけず、暗い時間帯も出歩かないことが効果的です」と話しています。

そのうえで、「もしクマに遭遇した場合は、とにかく刺激しないことが一番重要なので、ゆっくりと後ずさりしながら、距離を取るようにしてください」と呼びかけています。