医療的ケア児家族に休憩を 住田町が在宅レスパイト事業を開始

重い障害があって医療的なケアなどが日常的に欠かせない「医療的ケア児」について、住田町は訪問看護師が家族に代わってケアすることで家族が休める時間などを作る「在宅レスパイト事業」という取り組みを始めました。

「医療的ケア児」を巡っては24時間、目を離せない子どもも多く、介護を担う家族の負担軽減が課題となっています。

住田町の「在宅レスパイト事業」は町が委託した訪問看護ステーションから看護師を派遣して家族に代わって一定の時間、介護を行うことで家族の負担軽減につなげるのが狙いです。

住田町では5月から運用が始まり、医療保険制度の訪問看護を利用しているなどの条件を満たした医療的ケア児の家族が、体調不良で介護できなかったり家の用事やきょうだいの学校行事などで外出しなければならなかったりするケースなどを想定しています。

利用できる時間は3か月ごとに24時間、1日1回の利用で最大で8時間などとなっていて、利用者の費用負担はありません。

町内で最初の利用者となったのは自宅で3歳の娘のケアをしている小向裕之さんの家族です。

娘の葵水ちゃん(3)は人工呼吸器の管理などのケアを受けながらベッドで過ごしていて気の抜けない日々を過ごしています。

小向さんは「娘にとっては設備の整った自宅で看護師さんにみてもらえるのがいちばんで、家族にとっても夢のような制度です。今後も休息や買い物などで利用したい」と話しています。

「在宅レスパイト事業」は県内では矢巾町と紫波町でも導入されています。

【住田町保健福祉課の千葉英彦課長】
在宅レスパイト事業について住田町保健福祉課の千葉英彦課長は「人口減少が進み医療資源の乏しい地域であってもどんな人も住み慣れた地元で安心して暮らして行けるよう家族のニーズに最大限、応えていきたい」と話しています。