芥川賞作家 若竹千佐子さんが新作発表 遠野で記念イベント

遠野市出身で5年前に芥川賞を受賞した作家の若竹千佐子さんが、6年ぶりとなる新作を発表し、31日、ふるさとで記念イベントが行われました。

遠野市出身で今は千葉県在住の作家、若竹千佐子さんは6年前、63歳の時に、「おらおらでひとりいぐも」でデビューし、よくとしに芥川賞を受賞しました。

先月、2作目となる「かっかどるどるどぅ」を発表し、不安や孤独を抱えた4人の男女が、1人の女性の家に通い始めたことをきっかけに、他人と関わり生きる喜びを感じるようになっていく様子を描いています。

若竹さんは31日、ふるさとの遠野市役所を訪れて、多田一彦市長と懇談し、新作を発表するまでの6年間について「どうやって作品を書いたらいいか焦ってばかりでしたが、やはり小説を書くのが好きだから執筆を続けられた」と話していました。

このあと若竹さんは出版を記念したイベントに出席し、作品に込めた思いについて「子や孫が生きる未来はめまぐるしい時代だと思うが、幸せに暮らせる世の中になってほしいし、しなければならないと思った」と述べました。

イベントに参加した地元の70代の女性は「1人では生きられない、いまの世相が網羅されていて、読み終えてすっきりしました。これからも遠野の言葉を大切にしてほしいです」と話していました。