三陸鉄道 事業収入増えるも燃料費高騰で2期連続の最終赤字

三陸鉄道の昨年度の決算は団体客などが持ち直し、事業収入は前年度を上回りましたが、燃料費や電気代の高騰などから2期連続の最終赤字となりました。

第3セクターの三陸鉄道は30日、盛岡市で株主総会を開き、昨年度の決算を報告しました。

それによりますと通年の利用客は前年度より0.5%多い61万人余りでしたが、年度後半を中心に団体客や個人の観光客の利用が持ち直し、鉄道事業収入は前年度を9.4%上回って3億5600万円余りとなりました。

特に東日本大震災の語り部などから話を聞く「震災学習列車」の利用はこれまでで最も多くなったということです。

しかし燃料費や電気代の高騰から経常損失は6億5500万円余りの赤字となりました。

県などからの補助金を加えた最終的な損益も80万円余りの赤字で、赤字幅は前年度に比べて圧縮されましたが、2期連続の最終赤字となりました。

今年度は、沿線を舞台にしたNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の再放送が始まった効果もあって観光利用が好調で、先月は通学や通勤を除く利用者が前の年の同じ月を25%上回り、2万人近くに上っているということです。

三陸鉄道の石川義晃社長は「あまちゃんの再放送や将棋の藤井聡太六冠の1日駅長など追い風が次々と吹いているのでさらなる情報発信でさまざまな客層に魅力を届けていきたい」と話していました。