引退のSL銀河 今後も活用の要望をオンラインで署名呼び掛け

JR東日本が運行しているSL銀河は来月11日に引退します。

このSL銀河の機関車について今後も県内で観光列車などとして活用してほしいと奥州市の男性がオンラインで署名を呼び掛けています。

SL銀河は東日本大震災の被災地を元気づけようとJR釜石線の花巻駅と釜石駅の間で2014年から運行されてきましたが客車の老朽化のため、来月4日に定期運行が終了し、11日に団体向けの臨時列車として運行されるのを最後に引退します。

幼いころからSLが好きだという奥州市水沢の出口聖也さん(22)はSL銀河の引退を知り、去年8月にオンラインの署名サイトを立ち上げました。

署名はSL銀河の機関車、「C58239」を今後も県内で観光列車などとして運行していくことをJR東日本に求めていくというものです。

出口さんは「C58239」にちなんで、58239人分を目標に「SL銀河」が引退する日の翌日、来月12日までに集めることにしています。

出口さんは「C58239は戦後、そして震災からの復興をけん引してきたまさに歴史の生き証人だ。次の世代の子どもたちを乗せて元気に走る姿を多くの人に見てもらいたい」と話し、署名への協力を呼び掛けています。

SL銀河の機関車を今後も活用してほしいとオンラインで署名を募るサイトを立ち上げた出口聖也さん(22)は、この春から仙台市内の医療機関で医療機器の点検や保守を担当する「臨床工学技士」として働きながら、週末はSL銀河に乗車したり、写真を撮ったりしているということです。

父親の影響で4歳のころからSLが好きになったということで「SLの保守を行って乗客の命を守る検修員の姿と、医療機器を点検して患者の命を守る自分の姿を重ね合わせていつも仕事を頑張っている。SL銀河はいつ乗っても乗る前のわくわくした思いや乗った後の幸せな気分が感じられるSLだ」と思いを語りました。

そして去年8月に始めた署名活動について、「多くの賛同のコメントが届き、勇気づけられるとともに、SLの歴史的な価値や人を励ます力を実感した。SLが再び岩手を走れば、多くの人が励まされるのではないか」と話していました。