盛岡市内の書店員が著書出版の記念講演 地域密着の工夫を紹介

盛岡市内の書店で働く現役の書店員栗澤順一さんによる講演会が盛岡市で開かれ、本屋が地元で生き残っていくためさまざまな工夫をしてきたことなどが紹介されました。

講演会は盛岡市のさわや書店で働く栗澤さんがことし2月に『本屋、地元に生きる』という著書を出版したのを記念したものです。

栗澤さんは、盛岡市出身のタレント、ふじポンさんから質問を受けながら、本が売れず、いずれ本屋は町から消えるとも言われる中で、地域密着の斬新な企画を立ち上げるなど工夫してきたことを紹介しました。

栗澤さんは、県内で脳卒中で死亡する人が多いことに注目し、市内のしょうゆ店と共同で減塩しょうゆを開発し本屋の店頭で販売したり、パン屋にパンの絵本を置いて一緒に購入してもらったりしたことを紹介し、「本を手軽に買える場所を増やしていきたい」と話していました。

会場を訪れた人たちはメモをとるなどしながら栗澤さんの話に耳を傾けていました。

栗澤さんから本にサインをもらった盛岡市の40代の女性は「栗澤さんから受け取ったことで特別なものになる。大切に読みたい」と話していました。

講演会のあと、栗澤さんは「自分の本が名刺代わりとなって多くの人と出会うきっかけになればうれしい。これから本屋は地域で文化活動などをする拠点となってほしい」と話していました。