震災伝承に取り組む団体など 8割余が「活動継続に不安」

東日本大震災で被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県で震災の伝承に取り組む団体や施設への調査で、8割余りが今後も活動を継続できるかどうか不安を感じていることがわかりました。

この調査は、公益社団法人「3.11メモリアルネットワーク」が岩手、宮城、福島で震災の伝承に取り組む団体や施設を対象に行い、ことし3月末までに合わせて45の団体・施設から回答が寄せられました。

それによりますと、今後も活動を継続していくうえで「不安がある」と回答した団体・施設は38に上り、8割余りが不安を感じていることがわかりました。

さらに、不安があると回答した理由について聞き取り調査したところ、コロナが落ち着いて東北6県からの予約件数が減っている、コロナで激減した企業研修の回復が見込めない、語り部の高齢化が進み若い人がいないといった回答があったということです。

「不安がある」と回答した宮古市で震災遺構や防潮堤を巡るツアーを行う「学ぶ防災ガイド」は「語り部の高齢化が進み、後継者が不足している。収入も不安定な中、若い担い手をどう確保していくかが課題」と理由を挙げています。

「3.11メモリアルネットワーク」の中川政治専務理事は「これだけ多くの団体・施設が活動の継続に不安を感じていることを重く受け止め、持続可能な伝承の仕組みや支援のあり方を考えていく必要がある」としています。